自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎の方

50代女性。肝臓の数値が高い時もありましたが、ステロイドは拒否。他のふつうの薬剤は症状のひどいときだけ飲んでいたそうです。ASTは高いときで200くらいあったとのことですが、当院に通いはじめたころは130~150くらいだったそうです。
ASTは、肝炎の場合いつも気になる数値です。3か月ほどの受診で40台後半にまで落ち着いてきました。基準値(7~38)まであと少し。
ALTのほうは40を切り、基準値(4~44)になりました。
免疫グロブリンIgGのほうはまだ高くて、6000以上あったのが、3700ほどになったぐらい。
ご家庭の都合で来られなくなった10カ月後の最後の検査でも、ようやっと基準値すれすれの1650でした。
なかなかしぶとい病気です。
もっとも、こうした自己免疫疾患の場合には、患者さんの精神状態というか自律神経のバランスの状態に左右されるので、ひとりひとり違った経過をたどるものです。あまり数値にとらわれてばかりいても、窮屈な施術になっていってしまいます。むしろ、患者さんには数値のことなどでよけいに神経をつかわないようにしてもらってます。

間質性肺炎の併発

病院では診断は受けていないものの、この方は間質性肺炎を併発していたように思います。
初診の施術のとき、肺からジューゴボゴボという水を絞り出すような音が聞こえましたので、すぐにそれと見当がつきました。ご本人も注意して思い出してみると、わけもなく咳が出るようなことがけっこうあったとのことで、間違いないでしょう。
以降、肝臓同様、肺も重点施術部位として施術してきました。通院終了のころには水の音はしなくなりましたし、咳も出なくなったそうです
。 自己免疫疾患の場合、このように間質性肺炎を併発すことは多いです。

自己免疫性肝炎は

中年の女性に多く発症する肝炎で、その原因はまだよくわかっていませんが、肝細胞の中の何らかの物質を自己免疫が攻撃するために起きると考えられています。放置しておくと、他の慢性肝炎とおなじように、肝硬変や肝機能不全、ときに肝臓ガンへと重態化していきます。
当院施術はそうした進行にたいするブレーキとなります。週1回くらい、厳密に毎週でなくてもいいですから、受診なさっていくと、間質性肺炎もふくめ併発している自己免疫疾患はどれも軽快していきます。

通常は自覚症状がなく、健診などでひっかかって発見されることが多いようです。ただ、他の肝炎との区別がつきにくいため、自己免疫性と特定されるまではしばらくかかったりすることもあります。
ほうっておくと、全身がだるく、いつでも疲労感を覚えながら生活するようになっていきます。
当院では脾臓の腫れ(脾腫)の治療をすることが多く、その症状と似てるため、それとよく間違えます。

ステロイド

自己免疫性肝炎にはステロイドがたいへんよく効くそうですが、上記例の方のようにステロイドと聞いただけで拒絶反応を示すひとも多く、そういうひとはただ経過観察のためだけに病院へ通っているような感じになります。
ASTなどの数値があがり、肝臓やときには脾臓も腫れるようになると、いよいよイケませんので、そういう方はぜひいちどこちらにいらしてください。
さらに放置して肝硬変にまでいたってしまうと、当院でもなかなかむずかしい施術になってしまいます。

爾後のメンテナンス

また自己免疫疾患は、施術によって症状がおさまっても、それですっかり治りきったわけではありません。常に火種は残っていて、いつなんどきぶり返すかわからない病気です。
とくに自己免疫性肝炎の場合は急激に悪化することもあり、また、新たに他の自己免疫性疾患を併発することも多いそうですので、そうしたことの予防もかねて、毎週来られないようでしたら、月に一度くらいは健康保持のメンテナンスのつもりで受診しておいてください。



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