脳梗塞と心筋梗塞

脳梗塞と心筋梗塞は別々に起きるとはかぎりません。むしろ、心臓から脳へ患部が移動し、継続して起きてしまうことがよくあります。
ガンの手術後の再発防止に通っていらした方が、そうした事態におちいり、たたみかけるような施術によって、かろうじて回避できたことがありました。

「胸のここが痛いんです。重苦しくてチクチクするような痛みがあって、ときどき脇の方にもピリピリッと神経痛みたいのが走るんです」
診てみると、冠動脈とその周辺、および左鎖骨あたりなど、完全な心筋梗塞を指し示す一帯で、強いはっきりした障碍のサインを感じました。
その前回まではそんな手ごたえはまったくなかったのに、急な変化に驚きましたが、以前からたしかに血圧が高いとは聞いていましたから、あながちまったくの突然だったとも言いきれないのかもしれません。

60代女性で、血圧が高いと言われれば、あるていどは用心しなければならなかったわけですが、高血圧用のサプリなどおすすめしたこともあり、またそれまで些細な兆候も感じなかったので、警戒していませんでした。

当然のことですが、この場合痛みを覚える各個所に、血流を阻害するだけの大きさの血栓ができているのはあきらかです。
当院の施術では、まず血管をゆるめて開き、血栓は穏やかにゆっくり溶かす一手です。
急激に強いパワーをかけると血栓は破砕できても、新たな小さい多数の血栓として血流にのって散らばることが予想され、それではよけいヤバいことになってしまうので、そうならないように細心の注意をはらいます。

この方の場合は、なんとか心筋梗塞のはっきりした発症は回避できました。もちろん、細部では発症しているはずではありますが・・

しかし、ホッと一安心して施術を終わろうとしたころ、こんどは頭が痛くなってきたと言い出しました。
で、頭を診てみると、こんどはたしかに脳梗塞の前兆。
おそらく脳へ流れた血栓のくずが、またそこに集積して詰まったものと思われました。
時間が足りず、その手ごたえは完全に消せなくて、いささか心配でしたが、翌日に空き時間があったので、続けて来てもらいました。
もちろん病院で血液サラサラ化のお薬をもらいその帰りでした。
二回目は当然脳への施術がメイン。この二回で、脳も心臓もほぼ手ごたえはなくなりました。お薬のおかげもあったでしょうが・・
さらにダメ押しとして、その次の日も来ていただき、結局つづけて三日間施術して、事なきを得ました。

その後、定期施術のたびに脳と心臓もあわせて施術し、そちらの再発も予防しております。

この方の場合、発症した瞬間に立ち会っていたので、まだ対処しやすく、すぐに障碍の手ごたえは消せましたが、頭の中にすでに梗塞ができてしまっていると思われる方ももう何人も診てきました。
痛いといってご本人が手をあてる部分は熱く、熱をもっています。そこに穏やかにパワーをかけ、それ以上広がらないようにして、少しずつ溶かしていきます。
しかし、大きな梗塞を全部溶かすというのは私の施術の能力をこえた仕事です。
それでも気長に施術回数をかさねていくうちに、やがて梗塞のかたまりを迂回するように新たな血管ができていくような気はします。

もちろん病院へ行ってお医者さんの治療を受けるのが適切です。
それでも、これから施術(他の病気を)するというときになって、こうした危険な状態を発見した場合は、まよわず施術によって改善をめざします。その時点で病院へ行けと言って追い出せば、間に合わなくなってしまうことだってあるからです。
また、どうしても病院へ行くのはイヤというひともいて、当然そういう場合も当院で施術加療します。

でも本来は血圧高めのひとは、ふだんから副腎をはじめ、冠動脈や心臓、脳に施術しておくほうがよろしいでしょう。


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