ガンの発生と増殖の要因

タバコ

タバコを喫っていると、肺ガンだけでなく、鼻腔、口腔、喉頭、咽頭ガン、あるいは食道、胃、肝臓、すい臓ガン、膀胱ガン、子宮頸ガンなど他のさまざまなガンの発生リスクにさらされることになります。
ガンが見つかって治療してもらっているのに、その間かまわずタバコを吸い続けていると、もうひとつ別のガンが発生することさえあります。
副流煙で周囲のひとまで肺ガンの危険にさらすこともあり、そうした迷惑をも考えれば、できるだけ早い禁煙が望まれます。

酒を飲むと、アルコールはアセトアルデヒドという饐(す)えた匂いの臭い物質に変換されますが、このアセトアルデヒドがすでに発ガン物質です。口腔、咽頭、喉頭、食道、大腸、肝臓、乳房などのガンのリスクを上げるそうです。
それ以前に、身体全体のための基本的な免疫機能そのものが障碍されるという面もあります。
とくに、喫煙者が酒を飲むと、食道ガンを筆頭にあらゆるガンの発生リスクがハネ上がるとのこと。

食べ物

食べものには様々な発ガン性のあるものが多く、ひとつひとつ挙げていくのもめんどうでむずかしいことですが、とりあえず肉は胃ガン大腸ガンの、塩辛い漬け物は胃ガンの、またβカロテンは肺ガンのリスクがあるそうです。

高学歴の人と低学歴の人の胃ガン死亡率を比較するというおもしろい研究があって、高学歴の人よりも低学歴の人のほうが胃ガン死亡率が高いという結果が得られたそうです。(ただし男性のみ。女性には差異はみとめられませんでした)
その理由として、研究者のほうからは、経済状況の差異などがあげられていました。つまりひんぱんかつ容易に医療機関に出向いていけるかどうかといった違い、あるいはガンを助長するような物質との接触曝露の度合いなどです。
それらにくわえて、わたしの個人的感想としては、低学歴の人のほうが身体を動かす仕事に就いているケースが多く、その結果流した汗の成分を補給するために漬け物など塩分の濃い食べものを多く摂る傾向があるからではないかと思われました。

いっぽう味噌汁の摂取頻度と胃ガンにかかる率の関係を調査すると、罹患率が最も低かった「月に数回の摂取」と答えたグループに比べ、「毎日3杯」と答えたグループと「毎日4杯以上」と答えたグループでは、胃ガンにかかる率がそれぞれ67%、64%高いことがわかったそうです。

それから、コーヒーは案外ガンリスクを下げるのだそうですが、マテ茶は食道ガンのリスクが高まるとか。
また、大腸ガンに対しては、野菜・果物の摂取が多かろうが少なかろうが、極端でなければあまり関係がないという調査結果が出ているようです。便秘との関連にしても5日以上間隔があくような重症の場合以外は気にするほどの差はないようです。

前立腺は臓器として脂肪分を吸着する特性があります。そして、コレステロールが多い食事を摂ると、その吸収量が増え前立腺ガンが発症するリスクが高まるというわけです。なかでも動物性脂肪、特に赤身肉や乳製品由来の脂肪摂取は強い関連が疑われています。
いっぽう納豆、豆腐、味噌などの大豆発酵食品、大豆に含まれるイソフラボンには前立腺ガン抑制効果があります。緑茶に含まれるカテキン、トマトに含まれるリコピンもいいようです。

運動とガンの関係

運動は、結腸がんのリスクを確実に下げ、閉経後乳がんと子宮体がんのリスクを下げる可能性があることが報告されています。便が結腸を通過する時間が長くなると、便のなかの発ガン物質も長く結腸に滞留するようになるため、ガンリスクが高まるのでしょう。運動によって蠕動をうながしてスムーズに出してしまうようにしていきましょう。

仕事や運動などの身体活動が多いほど大腸がん、乳がん、がん全体の発生リスクが低くなることが示されています。がんだけではなく心疾患での死亡リスクも低くなり、したがって総死亡率も低くなります。
この理由としては、肥満の解消、血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きの改善、免疫機能の増強などがあります。
通常インスリンは血糖値が上がった場合に、すい臓から分泌され糖の分解をにないますが、そのインスリンが細胞の中に入るのを邪魔して、インスリンの効きにブレーキをかけるのが内臓脂肪です。内臓脂肪から出される物質はインスリンが細胞の口を開ける邪魔をして細胞内にインスリンが入れないようにします。これをインスリン抵抗性というわけですが、そうなるとなかなか血糖値は下がりませんので、なんとか血糖値を下げようと、すい臓はインスリンをさらに分泌します。
またいっぽう体内でIGFという物質も分泌されます。その結果、体内のインスリンとIGFの量が増えます。インスリンとIGFには、細胞を増殖させる作用や、細胞の自滅を抑える作用があります。たとえば大腸にがんが発生した場合、インスリンとIGFの量が多くなると、その大腸がんはインスリンとIGFに刺激されて増殖します。
しかし逆に、運動をしていると、必要性の則によって筋肉や肝臓に糖がとりこまれやすくなり、インスリンとIGFの量も増えなくなります。その結果、がん細胞の増殖も抑制されます。
こうして運動ががん細胞の増殖を抑えるわけです。

女性ホルモンであるエストロゲンは乳房や子宮体部で、がん細胞を増殖させるはたらきがありますが、運動していると、そうしたエストロゲンの作用が抑制されるそうで、乳がんや子宮体がんの発生自体抑えられると考えられています。

体格によるガンリスクの違い

肥満そのものも発ガンリスクを上げるそうです。食道、すい臓、肝臓、大腸、乳ガンなどのほか、肥満は閉経後の子宮ガンや乳がん、腎臓ガンのリスクが高くなるそうです。
肥満の指数であるBMIが1増加することに大腸がんのリスクが男性で1.03倍、女性で1.02倍高くなることも言われています。肝がんも肥満によって発生リスクが高くなるそうですし、男性のBMI 18.5未満のやせと女性のBMI30以上の肥満で、さまざまなガンのリスクが高くなる可能性があることが言われています。ほどよい運動を行い、適正体重を維持することによって肥満ややせによるがんのリスクを回避するようにしましょう。

このほか、高身長も大腸・乳房・卵巣のガンの原因になるとのこと・・、こんなの関係あるのかなとは思いますが、調査統計によってはっきりそうした傾向はみとめられるようです。

感染

ヘリコバクター・ピロリは胃ガンの
B、C型肝炎ウィルスは肝臓ガンの
ヒトパピローマウィルスは子宮頸ガンや陰茎ガンなどの
エプスタイン・バーウィルスは上咽頭ガン、悪性リンパ腫などの
ヒトT細胞白血病ウィルス1型は成人T細胞白血病やリンパ種の
それぞれ原因となります。

化学物質

アスベスト、ベンゼン、カドミウム、水銀、塩化ビニルポリマー、アクリルアミド、クロロトルエン、ナイトロゲンマスタード、マスタード、アセトアルデヒド、アクリルニトリル、クロロホルム、ニトロサミン、ダイオキシン、DDT、リンデン、ジクロロプロパン、ガソリン、重油、灯油など。
体内への摂取ばかりでなく、肌や粘膜への曝露も危険なものがあります。
詳細についてはさまざまな記事を読んではいますが、それぞれ専門的でわたしの頭ではわかりづらいです。名前自体頭に入りきらないので、追加の書きこみはあきらめました。これら以外にも何千種類もあるそうです。興味のある方は検索エンジンででも調べてみてください。

性ホルモン

エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲンなどの性ステロイドホルモンが、乳房、子宮体部、卵巣、前立腺におけるガンの発症と増殖に強くかかわっているといいます。
ホルモン剤はこうしたホルモンの産生を抑えて抗ガン剤としての役割を果たすわけですが、一方で子宮体ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、肝臓ガン、乳ガンなど一部のガンのリスクが高まります
抗ガン剤はそれ自体発ガン物質であることが多く、ホルモン剤もそうしたひとつと考えればいいのかもしれません。

子宮体がんは、もちろんエストロゲンとは関係ない原因で発生する場合もありますが、多くはやはりエストロゲンの刺激が長期間続くことが原因で発生する場合が多いようです。エストロゲンが関係していると考えられる原因には、出産経験がないこと、閉経が遅いこと、肥満、エストロゲンを産生する腫瘍があげられます。
これはおおざっぱにいえば、体内から湧いてくる女性ホルモンを女性としての身体活動によって「消費」しないと、それが体内に横溢し、ガン発生への圧力となる・・、といった印象です。
赤ちゃんへの授乳という自然で健康な動作によっても、女性ホルモンを「消費」した結果でしょうか、乳がんなどの発生率は低くなるそうです。

こうしたホルモンの分泌が亢進してのガンは、ごく初期のちいさいものならその芽をつみとってなんとか爆発前に鎮めることも可能ですが、成長してより深く強く大きく健常部位にくい込んでしまったものは当院でも容易にコントロールすることはできなくなります。

とりあえず肉、牛乳、卵といったものはひかえたほうがいいでしょう。それらは畜産の現状からいって、ほとんどの場合促成飼育され、肥育され、どうかすると遺伝子操作によって、より肉づきがよく脂づきがよく、より多くの乳を出し、よりたくさん産み落とすように変質させられた異形の動物たちです。いわば、わざわざホルモン異常をひきおこして「製造」された食べものです。
こうしたものを好んで食べ続けることによって、ホルモン異常の因子は食べたひとのなかにどんどん堆積していくのではないでしょうか。

先日、まだ市場には出ていないけれどこれからあらたな品種の魚の養殖をめざしているという研究者のドキュメントをテレビでみましたが、遺伝子操作によって倍くらいに太った魚が映し出されてました。ホルモン異常がつねにおきるように操作された動物の肉の一種とかんがえます。
研究者はとくい気に説明してましたが、わたしは、人間の魔の手はついに魚にまでおよびはじめたかと、おもわず顔をしかめたものでした。

こうした食べものはどんどんつくりだされて際限がありません。そうして続々と人の食生活を侵食しています。
ガンを撃退し、寄せつけないような身体をつくるには、できるだけこうした人間の手のかかっていない、野生の、それも動物よりも植物を食べてください。完全に野生のものが無理なら、それに近い栽培のし方で育てられたものにしてください。

食養生については
  → ガン治しの基本・わたしはガンにはなりません
も読んでください。

当院におけるホルモン系ガンの治療
   乳ガン、ホルモン剤治療
   前立腺ガン、その予防と当院での治療


参考Web
   がんの発生要因
      (by 国立がん研究センター)
   JACC Sturdy / 研究成果の紹介
      (by JACC Sturdy)


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